平成31年度年金0.1%アップ~マクロ経済スライド実施

 全く雪の降る気配がないここ下関市菊川町ですが、中長期予報通りこの冬は暖冬で終わるのでしょうか。年に一度は雪を見てみたいと思う今日この頃です。

 18日に厚生労働省から平成31年度の公的年金支給額を0.1%引き上げるとの発表がありました。

 また、自営業者や学生などが加入する国民年金保険料について、平成31年度は1か月 16,410円で1か月70円支払保険料が増えます。

 総務省発表の「平成30年平均の全国消費者物価指数」では平成30年の物価は前年比1.0%アップとなりました。また、平成27年度~29年度の賃金変動率は0.6%アップとなりました。今回のケースでは、低い方のアップ率を年金額改訂の計算に用いることになります。

 平成31年度の公的年金支給額は0.6%アップで決定。年金受給者の方々は「年金が増えて万歳!」と喜ぶところですが、ここで「マクロ経済スライド」の登場となるわけです。

 マクロ経済スライドとは、一言でいうと「公的年金支給額を抑制する魔法の杖」といったところでしょうか。

 公的年金加入者数の変動率(平成27年度~29年度)に平均余命の伸び率を掛けて計算します。今回の計算では、0.2%マイナスとなります。

 つまり、0.6%-0.2%で0.4%アップに抑えられるという、この抑制がマクロ経済スライドです。

 このマクロ経済スライドの計算は毎年行われるのですが、毎年実施されるわけではないのです。というのも、マクロ経済スライドで計算された調整率を用いた公的年金支給額が前年度支給額を下回る場合は実施を見送ることが、平成28年年金制度改正で決定されているからです。

 ということで、マクロ経済スライドの計算はされたが、実施されず平成30年度に繰り越された未調整分が0.3%あります。

 最終的には、0.4%-0.3%で0.1%のアップとなりました。これが今回厚生労働省の発表した0.1%アップの内訳です。

 

 マクロ経済スライドとは中々よく考えられた少子高齢化に合わせたしくみですが、多少なりとも理解していただけたら幸いです。