賃金支払いの原則


 労働基準法第24条とは

 

 

 先週のことです。車でお客様のもとに向かって走っていると、のどかな光景に出くわしました。4月は田植え前の時期ですので、場所によっては田んぼに咲く蓮華(れんげ)を見ることができます。 

 いかがですか。素敵な光景でしょ。わたしもこういう光景に目が向くようになりました。20代・30代頃は全然目が向かなかったんですけどね。

 

 田舎者なんで、のどかな光景を見ながら車を運転していると、気持ちが落ち着きます。田舎もいいですよ。

 

 

 さて今回は労働基準法第24条に関連するお話です。

 

 労働基準法第24条とは、

 

 ①通貨で

 ②直接労働者に

 ③全額を

 ④毎月1回以上

 ⑤一定期日を定めて支払わなければならない

 

 俗にいう賃金支払いの五原則です。「そんなの、わっかとるわい(山口弁)。」と言われそうですが…。

 

 通貨で直接労働者に全額を支払いするんですよ。ただし、労働者の同意を得た場合には、労働者が指定する預金口座等に振込みによる支払いができます。(労働基準法施行規則第7条の2)

 

 現在、労働者の同意を得て、労働者の指定する預金口座等に振込みによる支払いがほとんどではないでしょうか。山口県内の事業所の中には、労働基準法第24条通りに現金で直接労働者に支払いをされている事業所が、まだまだあるようです。現金でいただく方がありがたみを感じるんですけどね。

 

 そして現在国が進めようとしているのが、銀行口座を介さないで、スマートフォンの決済アプリに直接入金する「デジタル払い」。

 

 この給与デジタル払いとは、企業が銀行等の金融機関を経由しないで、資金移動業者が発行する給与振込用カード「ペイロールカード」の口座に振込むことができるというものです。

 

 このペイロールカードを、「〇〇ペイ」といったキャッシュレス決済事業者のサービスと接続して、給与を残高として扱えるようになれば、買い物でスマホ決済がしやすくなるし、ATMで現金を引き出すこともできるといったものです。

 

 ①現金での支払い、②預金口座等への振込みによる支払い、これに次ぐ第三の選択肢として、わたしたちは認識しておけばいいのではないでしょうか。

 

 会社側としても、労働者の同意がなければ、この第三の選択肢を強制するわけにはいきません。まして、わたしたち国民は銀行預金口座を持っているので、あえて今すぐ第三の選択肢を選ぶ必要もありません。つい最近個人情報管理の問題が話題となり、世間を賑わせましたよね。

 

 デジタルは便利で使い勝手がいいのは事実です。しかし、何でもかんでも右ならえとはいかないと思います。すべてはバランスとタイミングが大事だということ。あせらずじっくりと見定めていくことを、わたしたちは求められているのかもしれません。